◆芝生化の効用と問題点
@ 快適な運動と遊びの場
緑の上で楽しく運動したり遊んだりできる。これが最も重要なことでしょう。裸足で運動したり遊んだりできること、又転んだ時の怪我も芝のクッションにより擦り傷など格段に減ることとなります。
A 景観の向上、ゆとり空間
殺風景な土の茶色だけよりも、一面を緑色に染めることで景観的な鑑賞性が向上します。どこにでも腰を下ろせる芝生をつくり、ゆったりとした時間を過ごすことができ、心のゆとりもうまれてくるのではないでしょうか。
B 動植物の生息の場
土のグランドを芝生にしてからバッタやトンボを多く見るようになったということもあちこちの学校で聞きます。
C 環境保全上の効果
1.酸素の発生
空気は、光合成の過程を通して植物によって洗浄されます。
2.気温提言効果
土やコンクリートに比べ夏季日中の芝生の表面温度は概ね10℃位まで(ある研究所の調査によると芝生とダスト舗装の校庭では、8℃の差があるとの結果)低くなります。照り返しも少なくヒートアイランド現象の緩和にも役立ちます。
3.砂ぼこりを防ぐ効果
土のグランドのように砂ぼこりが立ちません。近隣の住宅などにグランドの砂ぼこりが舞うことにより窓を開けることができない、外で洗濯物が干せないなどの話も聞きます。
D 教材としての活用
芝生を植え、育てることを授業の中に取り入れることができます。草の種類、見分け方育て方は良い教材になります。
E 芝生管理を通じての社会的効果
これまでは芝生の管理に手間がかかることは芝生化の問題点と考えられることが多かったです。けれども児童・生徒・教職員・保護者・ボランティア・専門業者・役所の担当者などが皆で協力して芝生管理を行っている所では、管理に人が集まることが子供と大人、学校の中と外をつなぐコミュニケーション形成のきっかけともなっています。
◆芝生化の問題点とその対処法
@ 芝生管理に手間が掛ること
過去の芝生化事例では、芝生の管理作業が一部の教職員の負担となることが多く、芝生化の問題点として指摘されてきました。近年では児童・生徒が楽しみながら作業に参加できる仕組み作りの方法も発展しました芝生管理は労務という見方から園芸という見方に変化しているようです。
A 校庭の利用期間が制限されること
芝生の造成工事と養生期間、追播時期、並びに芝が傷んできた時には校庭の利用が制限されます。近隣の学校や公園又、運動施設などで代替できることが望ましいです。
芝生のために校庭の利用を制限することは適切ではありませんが、芝生が傷んできたときには少し利用を控えるという気持ちを持ってもらうことも大切かと思います。
その代わりに裸足になったり転がったりしての運動や遊びは芝生ならではのものです。
B 芝生にしても枯れてしまうこと
過去において校庭の芝生化が実施されながら消滅した所も少なくありません。しかし従前に比べて児童・生徒数あたりの校庭面積は大きく増加し、芝生に関する技術も進歩しています。
ただし、芝生を維持するにはしっかりとした計画、利用者の協力による管理が不可欠です。
C 費用が掛ること
芝生の造成と維持管理に要する費用は少なくありません。しかしその金額を投じてでも校庭を芝生にする効用があると考える人が多数になっています。